西宮市長に就任いたしました、今村岳司と申します。

西宮は、文教住宅都市宣言より半世紀を経た良好な住宅環境を誇るまちです。しかし、いま西宮は、増加する人口に行政サービスが追いつかず、政策課題は山積しています。

私は、公正で持続可能な政治を実現し、その政策課題を解決するために市長になりました。スピード感を持って、それでいて堅実で合理的な改革によって、文教住宅都市にふさわしい政治を取り戻すために責任を果たすつもりです。

これから私は、山積する政策課題を解決するため、議論を主宰していかなくてはなりません。そのため、市内のあらゆる催しに来賓として招かれて挨拶をしたり、賞状を渡したりという仕事は、当分の間はご遠慮申し上げることが多くなると思います。これまでの「市長」の位置づけを全く変えて、政策推進の統轄としての仕事を最重視させていただきますので、ご理解いただきたいと思います。

私が西宮で進めたい政治は、選挙で私を選んだ一部の人のためだけではなく、48万6000人の全ての西宮市民に捧げられるべきものです。私に対して、期待を込めて「西宮をこうしてほしい」という要望がたくさん寄せられています。それは大変光栄に存じます。しかし、西宮のまちをよくするのは市長や市役所や政治だけの仕事ではありません。市民の皆さんです。それが憲法92条の謳（うた）う住民自治です。政策推進に使われるお金は皆さんご自身が負担する税金です。これからの政治は、「市に何をしてほしいか」を陳情して、それを政治が実現するというものではなく、「自分たちが西宮に対して何ができるか」を考えていただき、ともに未来を創（つく）っていくという政治でなくてはなりません。陳情ではなく、合理的な提案がいただけるなら、どんどん検討することをお約束いたします。

どうか、西宮を愛する市民の皆さまにおかれましては、これから始まる新しい政治に期待するだけではなく、その政治をともに創っていっていただくことをお願いいたします。