多文化共生を考える
『人権文化の花咲くまち西宮』を目指して 多様な視点から学ぼう!

共に学び合う「地域日本語教室」

日本語教育支援グループ「ことのは」理事長
矢谷久美子さん


調理実習で「たこやき」を作りながら
日本語を学びます
訪日外国人が増加しているというニュースをよく耳にしますが、旅行目的ではなく、日本に住んでいる外国人が増えていることはご存知でしょうか。
来日の背景は留学や結婚、就労などさまざまですが、法務省の統計によると、現在日本には約322万人の在留外国人がいるそうです。皆さんも、近くのコンビニなどで働く外国人の方を見かけることがあるのではないでしょうか。言葉や文化の異なる外国での生活は、きっと苦労も多いことでしょう。
また、もともとその地域で暮らす人たちにとっては、言葉が通じない(通じそうにない)、異文化を持った人たちが隣人になることに不安を感じることもあるかもしれません。実際に、ごみの出し方や回覧板の受け渡しなどで、トラブルも起きているようです。少子高齢社会の日本では、外国人住民の増加に伴い、今後そうした文化の異なる人たちと一緒にうまく暮らしていくことが必要です。
お互いに気持ちよく暮らしていくにはどうすればいいでしょうか。
西宮市には、日本語がまだ十分に話せない外国人をサポートするさまざまな「日本語教室」があります。西宮市国際交流協会などの公的な団体や地域の教室には、幅広い世代の住民がボランティアとして集まって活動をしている教室もあります。
「日本語教室」と聞くと、外国人に日本語を「教える」というイメージを持たれるかもしれませんが、活動は日本語支援だけではありません。そこに集まった人たちが、日本語で交流することを通して、文化交流をしながら、相互理解を図る場所となっています。
来日したばかりで、知り合いもおらず孤独に過ごしていた人が、教室に参加することですぐに名前を呼んでもらえる人に出会えるのです。また、退職後に家にこもりがちになっていた人が、教室への参加をきっかけに活動的になったという話もあります。このように、外国人・日本人双方の住民が集える居場所となっているのが「地域日本語教室」です。名前も知らない外国人ではなく、○○さんと呼べる人が隣人の方がうまくやっていけそうですね。
お互いに知り合い、共に学び合える活動に関心を寄せていただけたらうれしいです。

【問合せ】秘書課(0798・35・3459)

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