おおた先生のわくわくだより
更新日:2025年2月25日
ページ番号:66847807
おおた先生のプロフィール
太田 秀紀(おおた ひでき)
日本小児科学会認定小児科専門医
日本小児心身医学会認定子どもの心の専門医
【専門分野】発達障害、心身症、重症心身障害児医療
【趣味】音楽鑑賞(主に洋楽ロックなど)
第48回 「5歳児の発達と支援について」
西宮市では令和7年4月から、5歳児を対象とした発達相談支援を始めます。
具体的には5歳を迎える子どもを持つご家庭に「5歳児発達チェックリスト」や「5歳児の健やかな成長に向けて」
というリーフレットが郵送されます。
「5歳児発達チェックリスト」を用いれば子どもの発達状態の確認ができます。
子どもの発達や子育てに不安や困り感がある場合は、各地域の保健福祉センターが相談に応じます。
わが国の乳幼児健診は全員対象のものとしては3歳児健診までが一般的でしたが、
最近5歳児健診の実施が推奨されています。
なぜ、5歳での健診が必要なのでしょうか?
5歳児の発達の特徴として、「社会性」と「自律性」の成長が挙げられます。
「社会性」とは他者の気持ちやその場の状況・ルールなどが正しく理解できる力です。
ほとんどの5歳児は保育所・幼稚園等の集団に属していると思いますが、定型的な5歳児の場合、
自分の所属する集団の中でお友達や先生との関係性を正しく理解し、
集団活動を楽しみながら参加することができるようになります。
喧嘩や揉め事も勿論ありますが、経験を通じて思いやりや反省といったことが身についていきます。
「自律性」とは自分の気持ちや行動をある程度コントロールできる力です。
外では元気いっぱいに遊びますが、家や教室で過ごす時(例えば食事中)は落ち着いて過ごせるといった
「メリハリ」がつき始めます。
我慢することや譲ることの価値を理解し、実行できるのもこの時期の特徴のひとつです。
発達障害やその傾向のある子どもは「社会性」「自律性」の発達に凸凹がみられます。
発達障害の特性が比較的強いケースでは低年齢(1歳半健診や3歳健診の時期)での発見・支援が可能ですが、
特性がそこまで強くない・みえにくい発達凸凹児は3歳以降でないと分からないことも多いのです。
凸凹が小さい子も集団や家庭において課題があり(むしろ特性が周囲に理解されにくく、適切な支援が遅れがちです)、
親も子育て上の困難を抱えています。
なので、5歳児健診は「ちょっと発達が気になる子」を見逃さず、早期支援を開始する場として重要です。
「社会性」「自律性」は5歳児にとって来るべき小学校生活に向けた礎となりますが、
「ちょっと発達が気になる・凸凹のある子」は就学後に思わぬ困難や悩みに直面することがあります。
就学という環境の変化への戸惑いや、周囲の理解不足が影響している可能性があります。
5歳児健診のもう一つの大事な目的は、「保育所・幼稚園から小学校へ」という大きな環境の変化に
備えた支援を提供することです。
親子が安心して就学準備をすすめられるようサポートしていきます。
西宮市の5歳児発達相談支援事業は、子どもの発達について「ちょっと気になるな」「小学校のことが不安だな」
と感じている親子を支え適切な支援を提供する場です。
こども未来センターも本事業のお手伝いをしています。
是非活用してください。