【消防局】ウー・カン消防通信!~「緊急消防援助隊」のお話~
更新日:2024年9月5日
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第21回
西宮市消防局では、令和6年能登半島地震を受け、被災地に令和6年1月15日から2月21日までの延べ38日間、25隊100名の規模で「緊急消防援助隊」を派遣しました。
そこで、今回のウー・カン消防通信では、「緊急消防援助隊」についてみなさんに紹介したいと思います。
緊急消防援助隊とは?
普段は、その多くが市町村単位で活動する消防機関ですが、大規模災害が発生した場合は、被災地の消防機関だけでは対処できないことがあります。
そんなとき、被災地からの要請等に基づき、全国各地の消防本部から応援に駆けつける部隊。
この応援部隊こそが、「緊急消防援助隊」です。
兵庫県消防学校に集結した緊急消防援助隊 兵庫県大隊
緊急消防援助隊設立の経緯
緊急消防援助隊は、平成7年(1995年)1月17日の阪神・淡路大震災の教訓を踏まえ、国内で発生した地震等の大規模災害時における人命救助活動等を、より効果的かつ迅速に実施できるよう、全国の消防本部の協力を得て、同年6月に創設されました。
この緊急消防援助隊は、平常時においては、それぞれの地域における消防責任の遂行に全力を挙げる消防機関が、大規模災害が発生した際に、消防庁長官の求め又は指示により、被災地に向けて集中的に出動し、人命救助等の消防活動を実施するものです。
また、緊急消防援助隊の隊員の結束力を一層強化するとともに、その活動を広く周知することを目的にロゴマークが作成されており、救助活動に使用する消防の基本ツールであるカラビナをモチーフにデザインされています。
緊急消防援助隊の法制化(平成15年 消防組織法改正)
東南海・南海地震、首都直下地震等が差し迫っていることや、NBCテロ災害等の危険性が高まり、こうした災害に対しては、被災地の市町村、都道府県の消防力のみでは、迅速・的確な対応が困難な場合が想定されました。
そこで、消防庁長官に所要の権限を付与することとし、併せて、国の財政措置を規定すること等を内容とする消防組織法の一部を改正する法律が、平成15年に成立し、翌平成16年から施行されました。
西宮市消防局の配備資機材
阪神・淡路大震災や新潟県中越地震、JR福知山線脱線事故などの大規模な災害事案が多発している状況から、全国的に救助体制の強化を図るべく、高度救助隊が平成18年4月1日に法制度化され、本市では、平成20年7月1日に発足しています。
高度救助隊は、主に大規模震災やNBC災害に対応するための部隊であり、通常の救助資機材の他に高度救助資機材が配備されています。
また、大規模風水害に伴う浸水区域において、がれき等がある場面でも多数の要救助者を一度に救出することができ、 船首パネルを開閉することで車椅子等をそのまま乗船させることが可能な膨張式ボートである、高機能救命ボートが令和2年度に配備されました。
地震警報器(高度救助資機材)
高機能救命ボート
西宮市消防局の派遣実績
平成23年東日本大震災、平成28年熊本地震、平成30年7月豪雨等に隊員を派遣しています。
平成23年東日本大震災
平成28年熊本地震
平成30年7月豪雨
令和6年能登半島地震
現在では、迅速な出動要請など、阪神・淡路大震災後に整備された緊急消防援助隊をはじめとした広域支援の制度が有効に活用されています。
今後も、西宮市消防局は訓練を重ね、市内はもちろんのこと、国内の大規模災害等でも、最大限の力を発揮できるように備えていきます。