にしのみや歴史見聞録 ニテコ池(満池谷町)
小説「火垂るの墓」の舞台に
このコーナーでは、西宮の歴史スポットを紹介します※アクセス…阪急苦楽園口駅下車、東へ徒歩10分
伝説によると、西宮神社の大練塀(おおねりべい)を作る際に土を掘り出した跡が池になったと伝えられています。
ニテコという一風変わった名前は、掘った土を神社に運ぶ人たちの「ネッテコイ、ネッテコイ」という掛け声からついたといいます。
中池には取水井が浮かんでおり、それは円筒の上に半球が乗った形をしています。
箱型の建物でも十分なのに、あえてロケットのような形にした設計者は、よほど遊び心があったのかもしれません。
野坂昭如の小説「火垂るの墓」の舞台となっていることでも有名です。
小説の中では、太平洋戦争に巻き込まれた兄妹が、この地でつかの間の安らかなときを過ごす舞台となっており、ニテコ池のほとりの防空壕(ごう)で暮らした野坂昭如本人の体験が描かれているともいわれています。
ニテコ池は、阪神・淡路大震災のときに大きく崩壊しましたが、今は修理され、桜の名所となっています。
春になると水面に美しい花景色を映し、訪れる人々を楽しませてくれます。