着実に経費削減を推進
行政運営のさらなる効率化

本市は、阪神・淡路大震災以降、復興事業に多額の費用を要したことや多様化・複雑化する行政需要への対応等により、一時危機的な財政状況に陥りました。
しかし、事業・施策の見直しや人件費を含む内部管理経費の削減など行財政の改善に取り組むことで、必要な財源を確保し市民サービスの満足度の向上に努めてきました。
また、復興事業により増大した市債残高も震災前に近づくまでに減少し、財政状況は改善してきています。
現在も、行財政の改善に向けた取り組みを進めており、今号では、人件費の削減の取り組み等についてお知らせします。
問合せは行政経営推進課(0798・35・3475)へ。
写真:市役所本庁者
本市は、阪神・淡路大震災の影響や長引く景気の低迷等により市税収入が伸びない中、復興事業に多額の費用を要したことや、高齢化の進行等に伴う社会保障関係経費の増加などにより、一時危機的な財政状況に陥りました。
しかし、そのような中でも市民満足度の高いサービスを提供していくために、事業・施策の見直しや人件費の削減、遊休地の処分、各種補助金の見直し等の行財政の改善に積極的に取り組み、必要な財源の確保と効率的な行政運営に努めてきました。
その結果、復興事業により増大した市債残高も震災前に近づくまでに減少しました。
また、人口増や中核市移行に伴い市の業務量も増大しましたが、民間委託や官民協働の取り組みなど、民間活力の導入等を推進し、職員数の抑制を進めてきました。
さらに給与制度を見直すなど人件費を含む内部管理経費の削減を進めながら、市民サービスの向上と効率的な行政運営に取り組んできましたが、今後も見直しを続けていきます。

人件費を削減

本市では、阪神・淡路大震災以降の3次にわたる行財政改善に取り組むほか、国や他の地方公共団体との均衡を図るため、給与制度の見直しを行ってきました。
また、職員数の適正化も併せて行い、人件費の削減に取り組んできました。
今後も引き続き、この取り組みを行っていきます。
問合せは職員課(0798・35・3502)へ。
人件費の推移
グラフ:人件費の推移
人件費の推移
平成
8
年度
平成
9
年度
平成
10
年度
平成
11
年度
平成
12
年度
平成
13
年度
平成
14
年度
平成
15
年度
平成
16
年度
平成
17
年度
平成
18
年度
平成
19
年度
平成
20
年度
平成
21
年度
平成
22
年度
平成
23
年度
平成
24
年度
退職手当 44
億円
21
億円
24
億円
30
億円
42
億円
32
億円
35
億円
32
億円
36
億円
43
億円
38
億円
39
億円
53
億円
45
億円
41
億円
26
億円
28
億円
人件費
(退職手当除く)
367
億円
370
億円
374
億円
375
億円
368
億円
354
億円
341
億円
333
億円
330
億円
318
億円
310
億円
309
億円
312
億円
314
億円
310
億円
310
億円
304
億円
人件費合計 411
億円
391
億円
398
億円
405
億円
410
億円
386
億円
376
億円
365
億円
366
億円
361
億円
348
億円
348
億円
365
億円
359
億円
351
億円
336
億円
332
億円
上の普通会計における人件費の推移を示すグラフでは、平成24年度決算で約332億円と、8年度に比べて約79億円(約19.2%)の減となっています。
人件費には退職手当も含まれますので、団塊の世代の多くが退職した20年度から22年度にかけて一時的に増加していますが、それらを除くと、人件費は低減傾向にあります。
人事・給与制度のさらなる適正化へ
第3次行財政改善期間であった平成17年度~20年度には、全職員の給料を平均4.2%削減したほか、諸手当の見直しなどを行いました。
これらの取り組みの結果、20年度までに、200億円を超える財源効果を生み出しました。
21年度以降も、国の給与構造改革に準じて給与制度を抜本的に見直し、給料を平均4.8%削減したほか、24年度には課長補佐級制度の廃止に伴い、さらに約3%削減する新給料表を導入しました。
また、25年度には約10%減となる技能労務職給料表を新設するなど、給与制度全般の見直しを行いました。
本年4月からは、給与水準のさらなる適正化に向けて一般行政職等の給料を5%~1%減額する予定です。
その結果、国の給料を100として比較するラスパイレス指数(市の職員構成を国と同じとして仮定計算)は、8年度の106・6から25年度の103.0に漸減し、来年度はさらに均衡が取れた水準になる見込みです。
給与制度の主な見直し
年度 内容
17年度
  • 全職員の給料を平均4.2%削減(注)
  • 退職手当支給率の引き下げ
  • 諸手当の見直し
18年度
  • 特殊勤務手当の制度全般にわたる見直し
21年度
  • 国の給与構造改革に準じ、給与制度を抜本的に見直し、給料を平均4.8%削減
23年度
  • 住居手当の見直し
24年度
  • 課長補佐級制度廃止に伴い、給料水準を約3%削減する新給料表の導入および給与制度全般の見直し
25年度
  • 技能労務職員の給与制度の見直し
  • 退職手当支給率の引き下げ
26年度
  • 一般行政職の給料を5%~1%削減(予定)

(注)第3次行財政改善実施期間中(平成17年度~20年度)に適用した内容

職員数の適正化を実施
阪神・淡路大震災以降、行財政改善の取り組みとして継続的に職員数の適正化を行ってきました。
震災からの復旧・復興事業が本格化し、業務が増す中においても、他の自治体から応援の派遣職員を受けながら、職員数を抑制してきました。
その後も、市の人口が増加する中、医療・介護等の制度改革など増大する行政需要にも的確に対応し、より住民に密着したサービスの向上を目指して業務を進めてきました。
中核市への移行による権限移譲に伴い業務は増加しましたが、さらなる事務事業の見直しや民間活力の導入などにより引き続き職員数の抑制を図るとともに、市民の安全・安心の強化のため消防職員の人員増を行い、メリハリのある職員配置に努めてきました。
その結果、平成8年度には、4115人であった職員数が24年度には、3540人となりました。
また、市民1人当たりの職員数は中核市の中でも中位になっており、他都市とも均衡が取れています。
東日本大震災の被災自治体に対する中長期の職員派遣を現在も行っており、同じく被災して復興業務を行った経験を生かした支援を続けています。
問合せは人事課(0798・35・3513)へ。
職員数と市内人口の推移
平成8年度~24年度 人口は21%増 職員数は14%減

上のグラフは、市の人口と職員数の推移の相関を示しています。
震災以降、市では堅調に人口が伸び続け、平成20年度には中核市に移行するなど、行政需要は増加してきましたが、職員数(教育長除く)は8年度~24年度で14%減少しています。

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民間の活力導入官民協働の推進

写真:東部総合処理センター
東部総合処理センター
市は、民営化や民間委託に代表される「アウトソーシング」を推進しています。
これは民間の経営資源を調達・活用し、より満足度の高い市民サービスの提供と経費の削減を目指すものです。
この取り組みにより、職員数を抑制する中でも、住民ニーズに的確に対応し、より効率的な行政運営を推進しています。
新しく建て替えられた東部総合処理センターでは、運営を長期にわたり民間事業者に委託しており、事業者が持つ専門性の活用を目指しています。
それ以外の市が設置した施設の管理についても、多様化する住民ニーズにより効果的・効率的に対応するため、積極的に施設管理の民間委託を推進しており、平成25年4月には274施設で指定管理者が管理することになります。
また、指定管理者の公募を拡大するとともに、運営状況についてもチェック体制を整えてしっかりと確認しています。
ほかにも、下水ポンプ場の維持管理業務、北口図書館の開館準備業務など、民間への委託の範囲を広げており、26年度からはごみの収集地区の拡大も予定しています。
施設整備についても、民間の資金や技術力を活用する「PFI手法」や光熱費の縮減を目的とする「ESCO事業」を導入するなど、引き続き、民間事業者が持つ経営のノウハウの活用を進めています。
さらに、24年度から市民べんり帳を民間事業者との共同発行に切り替え、内容の充実と経費の節減を図っています。
表紙:西宮市民べんり帳
官民共同発行の西宮市民べんり帳

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