とっとこ文化財 今回は…広田神社のコバノミツバツツジ群落
このコーナーでは、西宮にある文化財を紹介します
「花の名所」に返り咲き
4月に淡紫色などの愛らしい花を咲かせるコバノミツバツツジ。漢字では「小葉の三葉躑躅」と書き、関東などに分布するミツバツツジに比べて葉が小さいため、この名がついています。
県指定の天然記念物である広田神社のコバノミツバツツジ群落は、外苑内十数カ所に分かれて大きな群落を形成しています。総株数は約2万株で、大株は樹齢160年以上と推定されます。
現在も国内有数規模の同群落は、戦前は周辺地区も含め約20万株を誇り、花の名所でした。当時市内で花見といえば同群落をさし、たくさんの行楽客でにぎわっていたそうです。しかし、戦後の宅地造成等により、群落は神社内を残すのみとなりました。また、近年では照葉樹が繁茂し、群落に日光が届かず、残されたものも衰退してきました。
そこで市は、平成24年度から広田神社や地域住民などと協働し、群落を保全する活動準備を進めています。自然環境を調査しながら保全エリアを決め、照葉樹を伐採し、日当たりを良くした結果、少しずつ再生の兆しを見せています。
皆さんも現地に足を運び、花の名所への返り咲きを見守ってください。