退任にあたって

写真:西宮市長 河野昌弘

私は平成22年5月16日より西宮市長に就任いたしましたが、5月15日で1期4年の任期を終え、退任することとなりましたので、市民の皆様へご挨拶申し上げます。

私は、市長任期中、西宮の輝かしい文教住宅都市宣言50周年の記念式典を開催できたことを誇りに思っております。この伝統を受け継ぎながら、新しい時代に飛躍するための基盤をしっかりと整えることを目指してまいりました。

中でも子どもたちの健全な育成は大切な課題であり、育児支援や幼稚園での保護者負担の公私間格差の解消に力を注いでまいりました。特に保育所待機児童を2年連続ゼロにできたことは、全国的にも素晴らしい成果だと思いますが、今後も子育て支援の取り組みは必要と考えています。

また、本市の発展を支えてこられた高齢者の皆さんがいつまでも元気で暮らせるまちをつくるために、駅や公共施設のバリアフリー化の推進、「西宮いきいき体操」による健康づくり、集い場をはじめとする地域での見守り活動、さらには自治会活動の活発化のための支援をしてきました。また、障害のある子どもたちの支援のため、先進的な取り組みとなる児童発達支援センターを市の中核施設として整備を進めてまいりました。

さらに、東日本大震災の教訓から、市民の生命・財産を大規模災害から守ることが市長としての最大の使命だと考え、市民の皆様のご協力をいただき大規模な津波避難訓練を実施しました。国や県から市内の防潮堤の強化の確約をいただき、学校の耐震化もほぼ終えることができました。

しかし何と言っても、アサヒビール西宮工場の撤退による広大な跡地活用が大きな課題でした。民間主導の開発では、大規模なマンションや商業施設ができるなど、悪い影響が心配されることから、市が積極的に関与することとしました。計画では、耐震性が劣ったり、老朽化により大規模な補修が必要な中央体育館、中央病院、西宮消防署を移転し、多目的防災公園も整備して、スポーツ施設の充実と南部地域の防災力の向上を図ることとしておりましたが、市長選挙の結果この実現が難しくなり、期待していただいた市民の皆様には、申し訳なく残念に思っております。

実に50年にわたり、このまちで暮らし、このまちをこよなく愛し、このまちのために仕事ができたことを誇りに思います。また、これまでお世話になった皆様に対する感謝の気持ちで一杯です。今後本市が誰もが住みたい、住み続けたいと願うまち、ひときわ魅力を放つまちとして、さらに大きく飛躍していくことを願ってやみません。

結びに、市民の皆様に改めて深く感謝を申し上げ、私からのご挨拶とさせていただきます。

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