南海トラフ巨大地震 被害想定を県が公表

県は、南海トラフ巨大地震が発生した際の被害想定を、平成26年6月に取りまとめました。
甚大な被害が想定されていますが、市や市民の皆さんの取り組みにより劇的に縮小することが可能です。
西宮市域の被害想定をお知らせするとともに、県や市の防災対策、災害時に備えて市民の皆さんにできることをお伝えします。

問合せ

防災計画総務課
(0798・35・3547)
災害対策課
(0798・35・3626)
浸水想定図 死者数最大7664人
最短到達時間(津波高1メートル) 112分
最高津波水位 3.7メートル
シーンごとの被害想定
冬早朝5時 多くの人が自宅で
就寝中
死者数 7664人
全壊棟数 738棟
夏正午 学校、職場などの
建物にいる人が多い
死者数 6974人
全壊棟数 732棟
冬夕方6時 最も火気の使用が多く、
火災の危険性が高い
死者数 7238人
全壊棟数 762棟

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津波浸水域 鳴尾御影線より南

東日本大震災の発生を受けて、市は、平成23年6月に南海トラフ巨大地震が発生したときの津波の高さをこれまでの2倍以上と見込み、暫定的に地盤の高さが5.2メートルの区域まで浸水する可能性があるとしました。
これにより、浸水区域をJR神戸線以南に拡大し、当区域内で津波避難ビルを指定し、JR神戸線以北への避難を呼びかけるなどの対策を講じました。
24年8月に、国が、南海トラフ巨大地震の発生想定として、震度6弱、津波の高さは5メートルと公表しました。
市は、浸水想定区域を変えず、25年1月に、市民がJR神戸線以北や津波避難ビルへ避難する「にしのみや津波ひなん訓練」を実施しました(約4万6000人が参加)。
そして、25年12月に、国の想定に基づき、県がより精緻(ち)なシミュレーションを行い、津波の高さを3.7メートルと公表するとともに、浸水想定図を示しました。
これにより、市も、浸水想定区域を縮小しましたが、想定以上の震災の可能性を考慮し、JR神戸線以北への避難啓発は継続しています。
このたび、県は、浸水想定図に基づき、被害想定を取りまとめました。

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被害想定

国の想定では、南海トラフ巨大地震による西宮市の最大震度は「6弱」と非常に強い揺れに襲われ、揺れは3分程度続くとされています。
全半壊すると想定される家屋の4割は、津波でなく、地震によるもので、高層ビルでは階層が上がるにつれ揺れが大きくなり、エレベーターでの閉じ込めや家具等の転倒落下、場合によっては火災の発生も考えられます。
沿岸部では液状化による家屋・道路等の沈下が、また、山間部では土砂災害等の発生にも注意が必要です。
地震発生後、最短で112分後には第1波の津波が到達し、その後、繰り返し津波が襲ってきます。
津波の高さは最大3.7メートルと想定されており、現在、西宮市沿岸の防潮堤等はおおよそ4.3メートル~5.3メートルありますが、地震によって堤防が沈下し、津波が越流した場合や、防潮門扉が閉鎖できない場合を想定しています。
県の被害想定では、季節や時刻で被害の様相が異なるため、「冬の早朝5時」、「夏の正午」、「冬の夕方6時」の特徴的な3つのシーンを設定しています。
ベッドタウンである西宮市の場合、多くの人が自宅で就寝中に被災し、家屋倒壊による人的被害発生の危険性が高く、津波からの避難が遅れる可能性の高い、「冬の早朝5時」に最も被害が大きくなります。

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被害の軽減目指して

県は、浸水区域を縮小するため、防潮堤の越流対策や防潮水門の下流への移設などの津波対策を進めています。
また、今回の被害想定は、津波の避難率を70%と仮定した場合のものです。
したがって、迅速な避難を実行することで、避難率が100%になれば、死者数を劇的に減らすことが可能です。

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県・市の減災対策や皆さんの防災対策で被害は劇的に縮小できます

対策なし( 現状のまま) 死者数:7664人 全壊棟数:738棟 → 防災・減災対策 → 複合的な対策をした場合 死者数:11人(7653人減) 全壊棟数:487棟(251棟減)

県の取り組み
最大級の津波に備えた防潮堤・水門等を整備


西宮・今津地区における対策概要図
県は、南海トラフ巨大地震による浸水被害の軽減を図るために、防潮堤の補強や沈下対策、防潮水門の移設等を行う「津波防災インフラ整備5箇年計画(暫定版Ⅱ)」を平成26年3月に策定し、津波対策を推進しています。
西宮市域は、浸水被害の可能性が大きい地区として「重点整備地区」に設定されており、下表の津波対策を10年間(35年度まで)で完了することとしています。
市は、これらの事業を着実に進めていくため、県と協力してその推進に取り組んでいます。
対策項目 事業内容 規模 スケジュール
既存施設強化対策 防潮堤の越流対策 1.9km(西宮・今津地区1.2Km、鳴尾地区0.7km) 平成35年度まで
防潮堤の沈下対策 1.9km(西宮・今津地区1.2Km、鳴尾地区0.7km) 平成26年度調査検討
津波被害軽減対策 防潮水門の下流への移設 洗戎川水門(1基)、新川・東川統合水門(1基) 平成30年度まで
陸閘(防潮門扉)の
迅速で確実な閉鎖
陸閘(こう)の改良(遠隔操作化) 3基(西宮・今津地区2基、鳴尾地区1基) 平成30年度まで

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市の取り組み
津波避難ビルや災害情報媒体を整備

津波発生時に、迅速かつ安全に避難してもらえるよう、避難先である津波避難ビルの指定や指定避難所などで必要となる備蓄品(非常食や生活用品等)の充実などに取り組んでいます。
また、避難に必要なさまざまな情報提供手段を整備しています。
避難先等の整備
内容 規模
津波避難ビルの指定 235施設、388棟で25万6000人分(平成26年4月1日現在)
非常食 6万7300人の3食分の非常食に増強(予定)
生活用品 高齢者、幼児、女性に配慮した備蓄(予定)
海抜表示シート JR神戸線以南の主要交差点など約450カ所
津波避難ビル表示板 約380カ所
津波避難誘導サイン JR神戸線以南の主要幹線道路など約40カ所(予定)
津波注意喚起サイン 海岸付近など約30カ所(予定)
災害情報媒体
緊急速報メール(エリアメール)
津波警報などが発表されると携帯電話やスマートフォンが強制的に鳴ります(古い機種では非対応の場合あり)
にしのみや防災ネット
http://bosai.net/nishinomiya/
避難情報や気象情報を迅速に配信する市の防災メールサービスです
公式ツイッターやフェイスブックなど
https://twitter.com/nishinomiya_shi
https://www.facebook.com/Nishino-miya.City.Gov
上記SNSや市のホームページから災害情報を発信
防災スピーカーを市内142カ所に!
公園や学校などに設置しており、災害が発生した場合、災害の規模・状況などを伝達します

※毎月17日午後5時に試験放送しています

さくらFMやサンテレビ等のデータ放送など
さくらFM(78.7メガヘルツ)やサンテレビのデータ放送「まちナビ」、ケーブルテレビデジタル11チャンネルから災害情報を発信

※さくらFMでは、防災スピーカーからの音声を割り込み放送します

緊急告知ラジオ購入費を半額補助(1000台分)
緊急時にはスイッチが入っていなくても自動で作動し、防災スピーカーと同じ放送を聞くことができます。
さくらFM(0798・37・5512)で8000円(税抜き)で販売中です

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皆さんの取り組み
迅速な避難と事前の備えで自分の命を守ろう!

南海トラフ巨大地震の津波等による死者数は7664人と想定されています。
しかし、事前の備えを行い、全員が発災後、速やかに避難すれば死者数を劇的に減らすことができます。
避難はJR神戸線以北へ
より早く!より遠く!より高く! 地震発生後、90分以内に避難完了を!
想定以上の災害を考えて、JR神戸線以南にいる人はJR神戸線以北へ徒歩または自転車で避難してください。
遠くまで避難できない人や逃げ遅れた人は、津波避難ビルなど近くの堅固で高い建物の3階以上に避難してください。

※津波避難ビルの一覧は市のホームページ(くらしの情報→防災)に掲載

家屋の耐震化など備えを万全に
南部地域だけでなく、北部地域も揺れから身を守る対策をしましょう。
地震から身を守るために
地震発生時には、揺れから身を守るため、(1)姿勢を低くし、(2)頭・体を守り、(3)揺れが収まるのを待ちましょう。
家屋の耐震化
地震による大きな横揺れに備えて、県や市の「わが家の耐震改修促進事業」を利用するなど、住宅の耐震化を行いましょう。
問合せは建築指導課(0798・35・3705)へ。
家具等の転倒防止対策
家具類等の転倒等から身を守るため、突っ張り棒やL字金具、飛散防止フィルム等を活用するなど、今すぐできることから始めましょう!
避難ルートの確認
いつも通る道でも、ガレキの散乱やブロック壁の倒壊などで、通行できない場合があります。
安全なルートを確認しておきましょう。
非常食等の備蓄
表を参考に日頃から準備を。
持ち出す際の適正重量は、成人男性15キロ、女性で10キロが目安です。
食料など かんパン、缶詰、ミネラルウォーターなど
衣類など 下着、上着、タオル、紙おむつなど
薬など 目薬、傷薬、胃腸薬、包帯、抗生物質など
貴重品 現金、預貯金通帳、免許証、健康保険証など
その他 ラジオ(予備電池を多めに)、懐中電灯(できれば1人に1個)
多様なメディアで情報収集を
テレビやラジオ以外での災害情報の取得方法を知っておきましょう。

災害時要援護者手助けしよう!

高齢者や障害のある人、妊産婦、乳幼児、外国人など、防災上何らかの配慮が必要な人を、「災害時要援護者」と言います。
大規模災害では、高齢者や障害者が犠牲となるケースが非常に多くなっています。
皆さんの近くにそのような人がいるかを確認して、災害時には、その人の安否確認や避難の手助けをお願いします。

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