【西宮東高校・浜甲子園中学校】高校生による出前授業
更新日:2024年1月31日
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※この記事は平成30年度に作成したものです。
平成30年(2018年)1月31日、西宮東高等学校では、数理・科学コースの二年生が小学生や中学生へ授業を行う「出前授業」に取り組んでいます。これは、高校生が自分の学んだことや持っている知識を誰かに理解してもらうためには、どのように表現すればよいかを学習する目的で、甲子園浜小学校と浜甲子園中学校の協力を得て、平成27年度より実施している取り組みです。
高校生が5名程度のグループを作り、題材を考え、工夫を凝らした授業を展開します。小学生、中学生はそれぞれが興味、関心を持った授業を選択し参加します。
今回は浜甲子園中学校で行われた出前授業の模様を取材しました。
【数学「ザ・方程式」】
このクラスでは方程式の文章問題の授業が行われました。
販売商品の利益を求める「割合」の問題と数列の「規則性」の問題が出題されました。
高校生たちは中学生にわかりやすく説明するため、問題を出題したあとは中学生の席を見て回り、優しく丁寧に問題の解き方を教えていました。
【数学「はじめての数列」】
このクラスでは綿棒を使用した数列の規則性の授業が行われました。
中学生たちは綿棒を並べながら、試行錯誤を重ね、出題された問題を一生懸命に解いていました。その後の答え合わせの時間では、真剣な表情で高校生からの詳しい解説に聞き入っていました。
【物理「発電の仕組み」】
このクラスでは「電気」についての授業が行われました。
発電の原理を始め、太陽光発電や地熱発電のメリットとデメリットなど、電気が作られている仕組みについて高校生が解説しました。
また実際に、フラスコに入っている水を火で沸騰させ、電力を作り、モーター式のプロペラを回転させる実験も行われました。
【化学「いろいろな理科」】
このクラスでは液体を混ぜて気体を発生させたり、アルミホイルを巻いた紙コップで静電気を発生させる」などの様々な実験が行われました。
中学生たちは、それぞれの化学反応についての解説を受けるだけでなく、実際に体感することで化学についての理解を深めたようでした。
【教えられた側(中学生)の感想】
「高校生の方たちは私たちと年齢が近いので親近感があり、授業で使用する言葉も堅苦しくなく、わかりやすい言い方をしてくれたので楽しく授業を受けることができました。」
「授業で行われたどの実験も、高校生の皆さんが私たちにわかりやすくするため、準備してくださったと思います。実験を面白く説明してくださり楽しかったです。中には失敗した実験もあったけど、高校生たちはそれを和ませる力があり、すごいと感じました。」
「今日の高校生の方たちの授業はとてもわかりやすく、色々な実験もあり、とても楽しめました。授業をわかりやすくするために自分たちの身の回りにあるものを使って実験をしてくれたことや、いっしょに実験をしてくれたことはとても楽しかったです。」
「自分たちの席まで来て、丁寧に教えてくださったので授業を受けた一人ひとりがしっかり理解できたと思います。いつも以上に授業が楽しく感じました。」
「数学は難しそうだと思いましたが、わかりやすく教えてくださいました。また、難しい問題を友だちと協力して解くということに楽しさを感じることができました。」
【教えた側(高校生)の感想】
「発電について授業をしました。第一に心がけたことは中学生にわかりやすい授業をすることです。授業では実験とディスカッションを行いました。ディスカッションではどんな質問にも対応できるように様々な方向からの回答を考え、題材を決めました。」
「ディスカッションでは中学生の方たちが積極的に参加してくれて、私が思っていた以上の内容を話していたので『よく勉強しているんだなぁ』と感心しました。私たちが伝えたいことは発電について答えはないということです。ディスカッションを通して様々な答えが出てきて、発電の授業内容を理解してくれたことが嬉しかったです。」
「方程式をテーマとして授業を行いました。数学に苦手意識を持っている生徒もいると思いましたので、様々な問題を調べ、吟味し、中学生にわかりやすい問題を考えました。問題選びが大変苦労しました。また、板書の仕方や一人ひとりの生徒に対する対応の仕方などは学校の先生の仕方を見習って準備しました。」
「授業をして驚いたのは、クラスの中で問題を解けた生徒が、解けない生徒に対し丁寧に教えていたことです。生徒同士で教え合いをしていたことが嬉しかったです。今回、教える立場として授業を行い、授業の準備などの大変さがわかりました。普段授業をしていただいている先生方の苦労を感じることができ『先生たちはすごいなぁ』と思いました。」