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夙川の松を元気にしよう!

更新日:2018年4月1日

ページ番号:98315478

2016年3月4日資料提供

市民ボランティア団体「きのこクラブOB会」参加 3月8日(火曜)午後1時半から

 本市の特色ある緑地軸を形成する夙川河川敷緑地の松の保全と健全育成を図るために、市民ボランティア団体(きのこクラブOB会)との協働による菌根菌(きんこんきん)を活用した松の樹勢回復を実施します。

内容

 菌根菌は栄養の無い砂地で松が生きていくために必要なもので、松と共生関係にあります。全国的には白砂青松の海岸松林を守るため、樹木医などが菌根菌資材を専門業者から入手し、施用している例はありますが、市民とともにきのこの採集や菌根菌資材の作製を行い、その資材を現地の松に施用する試みは全国的に見ても珍しいものです。
 西宮市には、植物バイオテクノロジーを活用した独自の取り組みを行っている「西宮市植物生産研究センター」があります。この施設を活用し、平成22年度より、市民とともに夙川の松の健全化に取り組んできました。平成26年度より、それまで実施していた試験施用で得られた結果を基に確立された方法で施用しています(本格施用)。平成27年度は二回目の本格施用にあたります。

これまでの作業

  • 平成22年度より試験施用開始
  • 平成26年度より本格施用開始(一回目は平成27年2月実施)
  • 平成27年度きのこクラブOB会参加によるきのこ採集会(10月30日、11月10日)
     生物多様性や地域性遺伝子資源の保護・有効活用に配慮した施業とするため、きのこクラブOB会と、アドバイザーである株式会社環境総合テクノスとともに、夙川で分布する有用な菌根菌(きのこ)を採集しました。
  • 平成27年度効果測定の実施(12月17日、12月22日)
     昨年度に本格施用した箇所の効果測定を12月17日に、平成22年度に試験施用した箇所の効果測定を12月22日に実施しました。(きのこクラブOB会参加)
  • 平成27年度きのこ畑の保全と育成(平成28年2月9日)
    きのこクラブOB会とともに、夙川のきのこ発生地に菌根菌資材(胞子液)をまきました。

本格施用の実施日時・場所

平成28年3月8日(火曜)
 根の調査と菌根菌施用:13時半 夙川河川敷緑地(結善町)
 今回施用のクロマツ :7本(樹齢100年以上の松を含む)
 菌根菌の種類 :チチアワタケ、コツブタケ、ショウロ

 松の周辺を数箇所掘り上げ、発生した根の周りに、菌根菌資材と木質炭化物を投入し埋め戻します。根の分布や乾重量を量るため、箇所ごとに根を採取します。
 次年度に、同じ場所を掘り上げ、発根状況、菌根菌の感染状況を観察します。また、その後の経過を観察すると共に効果測定を実施します。

夙川河川敷緑地の松について

 西宮市の夙川河川敷緑地は全体が河川敷緑地(総延長4キロメートル、開設面積17.94ヘクタール)として整備されている阪神間でも類を見ない都市公園です。
 昭和26年3月に戦災復興事業の一環として夙川河川敷緑地が都市計画決定され、河川敷を公園化することで、河畔松林の全面的な保全をはかることになりました。それに先立ち、昭和24年に当時の辰馬卯一郎市長の提唱で1,000本のソメイヨシノの若木が植樹され、既存の松林(クロマツなど1,400本)に加え、現在のような松と桜の独特の景観を呈するようになりました。
 現在、樹齢100年を越えるマツが大半で、後世に残さなければならない西宮市の財産です。

菌根菌について

 菌根菌は、菌根を作って植物と共生する菌類の仲間です。
 菌根菌は、土壌中に菌糸を張り、松など樹木(宿主)の根に感染し、主にリン酸や窒素を吸収して宿主植物に供給し、代わりにエネルギー源として、宿主が生産した炭素化合物を得ることで、菌自身が成長します。
 多くの場合、菌根菌は、共生植物に対し成長促進効果があることが認められています。実験で菌根菌を取り除いた土壌で栽培した植物は生育が悪くなることが確認されています。
 夙川の松においても、現況調査の中から菌根菌であるチチアワタケなどとの共生関係が確認されています。

きのこクラブOB会について

 身近で不思議な生き物“きのこ”について市民が学ぶ「きのこクラブ」(主催:西宮市植物生産研究センター)を受講した卒業生有志が「きのこクラブOB会」を結成し、北山・甲山周辺でのきのこ調査、標本作製・展示等を行い、“きのこ”をきっかけに、多くの方に身近な自然・環境に関心を持っていただく活動を行っています。
きのこクラブOB会の主な活動内容

  • 植物生産研究センター「きのこ見本園」の管理
  • きのこクラブにおける実習およびきのこ採集会の補助
  • きのこの標本作製および展示
  • 甲山周辺などで発生するきのこの定点観測など

西宮市植物生産研究センターについて

 西宮市植物生産研究センターは、植物バイオテクノロジーを活用し、市民とともに特色ある花と緑のまちづくりを進めています。
(内容)
 西宮市オリジナル植物など良質で特色ある緑化材料の研究・開発、環境学習事業として「さし芽教室」の実施、希少植物等の保護、特色ある河川敷緑地軸の景観維持、市民への普及啓発活動など
(場所)西宮市北山町1番1号 北山緑化植物園内

アドバイザーについて

 市では、松の樹勢回復資材の開発などで実績がある株式会社環境総合テクノスと委託契約を行い、きのこ採集、培養、資材化などについて、アドバイスをいただいています。
 3月8日(火曜)の施用当日も専門スタッフが指導にあたります。
 株式会社環境総合テクノス「大阪市中央区安土町1丁目3-5」

(問い合わせ)

西宮市 土木局 道路公園部 花と緑の課(植物生産研究センター)
 担当 :船越・南部
 電話:0798-74-5970 FAX:0798-71-2299

西宮市北山町1-1 北山緑化植物園内

電話番号:0798-74-5970

ファックス:0798-71-2299

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