平成29年度 西宮市民文化賞受賞者紹介(馬場 和比古 さん)
更新日:2017年12月22日
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馬場 和比古 さん
手漉き和紙職人
馬場 和比古 さん プロフィール
400年を超えて受け継がれてきた名塩紙の中でも、名塩の風土と先人たちの情熱から生み出された箔打紙(はくうちがみ)に魅力を感じ、昭和51年(1976年)甲南大学経営学部を卒業後、家業である名塩紙製紙業 馬場製紙所に就業。馬場製紙所は、明治の初めから続く歴史ある製紙所で、現在はその4代目として、金箔を打ち延ばすのに用いる箔打紙を洗練された技術で専門に抄造している。
本市が全国に誇る伝統工芸品である名塩紙の「雁皮(がんぴ)に地元産の泥を漉き込む」という独特な紙漉き技術の向上のため、手漉き和紙職人として、気概をもって日夜研鑽に努めるとともに、永年にわたり強い信念で日本古来の伝統文化の堅持に力を注いでいる。
兵庫県指定重要無形文化財「名塩紙技術」技術保持団体「名塩紙技術保存会」会員として、また、兵庫県伝統的工芸品指定「名塩紙」の製造者として、名塩紙の製紙技法の伝承と普及啓発に貢献している。
また、日本古来の伝統技法で抄造される箔打紙は、最高品質の金箔製造に必要不可欠な和紙で、金箔を支えるもう一つの主役である。繊細な感性と卓越した技術で抄造された滑らかで良質な箔打紙で打たれることによって、柔らかで美しい光沢のある上質な金箔に仕上がり、金箔工芸品だけではなく、国の重要文化財等の修復に使用されるなど、国内文化財の保存にも大きく寄与している。
その功績により、平成23年(2011年)に、伝統的工芸品産業大賞作り手部門功労賞を受賞。
本市においては、平成12年(2000年)に、名塩紙について文化庁伝統保存団体活動基盤整備事業を実施した際に、名塩紙の歴史や技術を収録したビデオ制作など事業の推進に協力した。
さらに、平成14年(2002年)から西宮市名塩和紙学習館紙すき推進委員に就任。和紙学習館の事業運営に携わり、名塩紙への理解と市民の西宮への郷土愛を深めることにも尽力した。
日本古来の伝統文化の堅持と紙漉き技術の向上に力を注ぐ
~名塩紙の独特な製紙技法の伝承と普及啓発に大きく貢献~
永年にわたり名塩紙の手漉き和紙職人として、気概をもって日夜研鑽に努められ、日本古来の伝統文化の堅持と紙漉き技術の向上に力を注ぐとともに、本市が全国に誇る伝統工芸品である名塩紙の「雁皮(がんぴ)に地元産の泥を漉き込む」という独特な製紙技法の伝承と普及啓発にも大きく貢献されました。
西宮市名塩和紙学習館紙すき推進委員として、和紙学習館の事業運営に携わり、名塩紙への理解と郷土愛を深めることに尽力されました。
平成29年(2017年)10月
馬場製紙所にて
煮た雁皮に水と泥を加え、かき混ぜて、すき草を作る作業
平成29年(2017年)10月
箔打紙の選別作業をする馬場さん
乾燥した紙のちりの有無や厚みを検査
良質な箔打紙を繊細な感性と卓越した技術で抄造
~国内文化財の保存と西宮の名声を高めることに寄与~
国の重要文化財等の修復に用いる最高品質の金箔の製造工程に必要不可欠な、滑らかで良質な箔打紙(はくうちがみ)を繊細な感性と卓越した技術で抄造するなど、国内文化財の保存と西宮の名声を高めることに寄与されました。
平成29年(2017年)10月
原料の雁皮をアルカリ液で煮熱
平成29年(2017年)10月
箔打紙の紙漉き