約100年ぶりに西宮市に新たな国史跡が誕生
東六甲石丁場割石集積
東六甲石丁場刻印石調査風景
大正11(1922)年に西波止町に所在する「西宮砲台」が国史跡に指定されて約100年、西宮市に新たな国史跡が誕生することになりました。
平成30(2018)年2月13日に、甲山町に所在する「徳川大坂城東六甲採石場・甲山刻印群」の一部が、「大坂城石垣石丁場跡 東六甲石丁場跡」として国史跡に指定されました。
平成30(2018)年2月13日に、甲山町に所在する「徳川大坂城東六甲採石場・甲山刻印群」の一部が、「大坂城石垣石丁場跡 東六甲石丁場跡」として国史跡に指定されました。
【問合せ】文化財課(0798・33・2074)
国史跡「大坂城石垣石丁場跡 東六甲石丁場跡」
江戸時代に大坂城の再建に使われた最大規模の採石場
大坂城石垣石丁場跡東六甲石丁場跡は、江戸時代初期に公儀普請(注1)で行われた大坂城再建工事において、石垣などに使用する石材が採石された丁場(注2)跡のことです。大坂城の再建の際には、京都から九州におよぶ西日本一帯の石の産地で大名による採石が行われました。その中でも最大規模の石丁場が東六甲石丁場跡です。
(注1)公儀普請…今でいう公共事業のこと
(注2)丁場…土木用語で工事現場のこと
良好な状態を保つ400年前の石丁場
大坂城までは、船を使って石を運んでいたと考えられています
最新技術を駆使した調査
西宮市では、「まもる・いかす・つたえる 文化財保存活用にしのみや計画(平成26年策定)」において「徳川大坂城東六甲採石場」の詳細分布調査を掲げ、国史跡指定を目標として、調査を実施してきました。
調査の結果、指定範囲全域で採石のために掘られた採掘坑、石材を山から引き出すために開削された人工的な谷、大名の刻印のある石材が集められている場所などを確認し、正確な地形測量図と石材の分布図の作成を行いました。
この成果を受けて、大坂城石垣石丁場跡東六甲石丁場跡は国史跡として指定されました。この「国民共有の財産」を、どのように「まもり、いかし、つたえる」のかが今後の大きな課題になります。
石丁場跡範囲確認調査 調査風景
調査の結果、指定範囲全域で採石のために掘られた採掘坑、石材を山から引き出すために開削された人工的な谷、大名の刻印のある石材が集められている場所などを確認し、正確な地形測量図と石材の分布図の作成を行いました。
この成果を受けて、大坂城石垣石丁場跡東六甲石丁場跡は国史跡として指定されました。この「国民共有の財産」を、どのように「まもり、いかし、つたえる」のかが今後の大きな課題になります。
24年〜28年 |
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29年 |
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30年 |
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石丁場跡範囲確認調査 調査風景
- 関連行事
- 今回の国史跡指定を記念し、各所でセミナーなどのイベントを実施します。ぜひお越しください。
国史跡指定記念パネル展「国史跡 大坂城石垣石丁場跡 東六甲石丁場跡」
本庁舎1階写真コーナー
【日時】
2月26日(月)~3月9日(金)
【会場】
市役所本庁舎1階の写真コーナー
国史跡指定記念ブックフェア
【日時】
3月11日(日)までの午前9時半〜午後6時。月曜・第1木曜休館
【会場】
中央図書館
シンポジウム「新発見・西宮の地下に眠る古代遺跡 ー浮かびあがる武庫郡の中心ー
【日時】
3月17日(土)午後1時〜
【会場】
大手前大学さくら夙川キャンパス
国史跡指定記念セミナー『「大坂城石垣石丁場跡 東六甲石丁場跡」とは何か』
【日時】
3月25日(日)午前9時45分〜
【会場】
プレラホール
【定員】
250人(当日先着順。受付は9時15分から)
市内には8カ所の史跡があります
(国指定)大坂城石垣石丁場跡 東六甲石丁場跡(平成30年2月13日)
(市指定)老松古墳(昭和56年3月25日)
老松古墳
(国指定)西宮砲台(大正11年3月8日)
西宮砲台
(市指定)青石古墳(昭和49年3月20日)
(市指定)五ヶ山古墳群第2号墳(昭和49年3月20日)
五ヶ山古墳群第2号墳
(市指定)関西学院構内古墳(昭和49年3月20日)
(市指定)上ヶ原用水路(昭和56年3月25日)
(市指定)具足塚古墳(平成29年10月11日)
※一部史跡には立ち入れない所があります。詳しくは文化財課までお問合せください
昨年10月には「具足塚古墳」が市史跡に指定
具足塚古墳
平成29年10月11日、古墳は「具足塚古墳」として西宮市史跡に指定され、市内の市指定史跡は6件となりました。また、同時に、具足塚古墳の出土遺物についても、西宮市重要有形文化財(考古資料)「具足塚古墳出土品」として指定され、一部が郷土資料館で常設展示されています。