養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止について
更新日:2026年2月25日
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養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止について
平成17年11月1日、「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」(以下「高齢者虐待防止法」といいます。)が可決、成立し、平成18年4月1日から施行されました。
高齢者虐待防止法では、高齢者虐待を、(ア)養護者による高齢者虐待、(イ)養介護施設従事者等による高齢者虐待に分けて定義していますが、ここでは(イ)養介護施設従事者等による高齢者虐待について記載しています。
1.養介護施設従事者等による高齢者虐待とは
養介護施設従事者等による高齢者虐待とは、老人福祉法及び介護保険法に規定する「養介護施設」又は「養介護事業」の業務に従事する職員が行う虐待行為です。
「養介護施設」又は「養介護事業」に該当する施設・事業及び「養介護施設従事者等」は以下のとおりです。
| 養介護施設 | 養介護事業 | 養介護施設従事者等 | |
|---|---|---|---|
| 老人福祉法による規定 | ・老人福祉施設 |
・老人居宅生活支援事業 |
「養介護施設」又は 「養介護事業」の 業務に従事する すべての者 |
| 介護保険法による規定 | ・介護老人福祉施設 |
・居宅サービス事業 |
2.虐待の種類と内容について
| 種類 | 内容 |
|---|---|
| (1)身体的虐待 | 高齢者の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。 |
| (2)放棄・放任 | 高齢者を衰弱させるような著しい減食又は長時間の放置その他の高齢者を養護すべき職務上の義務を著しく怠ること。 |
| (3)心理的虐待 | 高齢者に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応その他の高齢者に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。 |
| (4)性的虐待 | 高齢者にわいせつな行為をすること又は高齢者をしてわいせつな行為をさせること。 |
| (5)経済的虐待 | 高齢者の財産を不当に処分することその他当該高齢者から不当に財産上の利益を得ること。 |
3.身体拘束について
養介護施設などにおいて、高齢者をベッドや車いすに縛りつけるなど身体の自由を奪う身体拘束は、原則として禁止されています。また介護保険施設の運営基準において、サービスの提供にあたっては、入所者の「生命又は身体を保護するために緊急やむを得ない場合を除き」身体拘束を行ってはならないとされています。
身体拘束を防ぐためには、身体拘束禁止規定の周知だけでなく、身体拘束がもたらす数々の弊害や、拘束が拘束を生むという悪循環の実態などについて幅広く意識啓発を図る必要があります。また、「身体拘束はやむを得ない」とか「廃止は不可能」といった固定概念や認識を正していく努力が必要です。
身体拘束の具体例
身体拘束の具体的な内容としては、以下のような行為が該当すると考えられます。
(1) 徘徊しないように、車いすやいす、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
(2) 転落しないように、ベッドに体幹や四肢をひも等で縛る。
(3) 自分で降りられないように、ベッドを柵(サイドレール)で囲む。
(4) 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、四肢をひも等で縛る。
(5) 点滴・経管栄養等のチューブを抜かないように、又は皮膚をかきむしらないように、手指の機能を制限するミトン型の手袋等をつける。
(6) 車いすやいすからずり落ちたり、立ち上がったりしないように、Y字型抑制帯や腰ベルト、車いすテーブルをつける。
(7) 立ち上がる能力のある人の立ち上がりを妨げるようないすを使用する。
(8) 脱衣やおむつはずしを制限するために、介護衣(つなぎ服)を着せる。
(9) 他人への迷惑行為を防ぐために、ベッドなどに体幹や四肢をひも等で縛る。
(10) 行動を落ち着かせるために、向精神薬を過剰に服薬させる。
(11) 自分の意思で開けることのできない居室等に隔離する。
やむを得ず身体拘束を行う3要件
やむを得ず身体拘束等を行う場合には、以下の3要件を全て満たす必要があり、その場合であっても、身体拘束を行う判断は組織的かつ慎重に行います。
| 要件 | 内容 |
|---|---|
| (1)切迫性 | 利用者本人又は他の利用者等の生命、身体、権利が危険にさらされる可能性が著しく高いこと |
| (2)非代替性 | 身体拘束その他の行動制限を行う以外に代替する方法がないこと |
| (3)一時性 | 身体拘束その他の行動制限が一時的であること |
やむを得ず身体拘束を行うときの手続き
やむを得ず身体拘束等を行う場合には、以下の手続きを行う必要があります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| (1)組織による決定 | 身体的拘束等適正化検討委員会などにおいて、組織として慎重に検討・決定する必要があります。 |
| (2)サービス計画への記載 | サービス計画に身体拘束の様態及び時間、緊急やむを得ない理由を記載する必要があります。 |
| (3)本人・家族への十分な説明 | 適宜利用者本人や家族に十分に説明をし、了解を得る必要があります。 |
| (4)必要な事項の記録 | その様態及び時間、その際の利用者の心身の状況並びに緊急やむを得ない理由を記録する必要があります。 |
4.養介護施設が取り組むべき措置
高齢者虐待防止法では、養介護施設の設置者又は養介護事業を行う者の責務として、養介護施設従事者等による高齢者虐待の防止等のための措置を講ずることが定められています。
また、運営基準においては次の措置を講ずることが定められています。
(1)虐待防止のための措置(減算規定有り)
・虐待防止検討委員会を定期的に開催し、その結果を従業者に周知徹底すること。
(少なくとも1年に1回は開催することが必要です。)
・虐待の防止のための指針を作成すること。
・従業者に対し、虐待の防止のための研修を定期的に実施すること。
(施設は1年に2回以上、通所及び居宅は1年に1回以上に加え、新規採用時には必ず実施して下さい。)
・虐待防止のための担当者を置くこと。
様式例
(2) 身体的拘束等の適正化のための措置(減算規定有り)
以下のサービス種別の事業所においては、運営基準において身体的拘束等の適正化のための必要な措置を講ずることが定められています。
| サービス項目 | サービス種別 |
|---|---|
| 通所系 | 小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護 |
| 短期入所系 | 短期入所生活介護、短期入所療養介護 |
| 居住系 | 特定施設入居者生活介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護、住宅型有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅 |
| 入所系 | 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護医療院、養護老人ホーム、軽費老人ホーム |
【必要な措置】
・身体的拘束等適正化検討委員会を少なくとも3月に1回は開催し、その結果を従業者に周知徹底すること。
・身体拘束等の適正化のための指針を整備すること。
・従業者に対し、身体的拘束等の適正化のための研修を定期的に実施すること。。
(1年に2回以上、及び新規採用時には必ず実施して下さい。)
様式例
身体的拘束等の適正化のための指針(通所系、短期入所系、居住系)(ワード:24KB)
身体的拘束等の適正化のための指針(入所系)(ワード:24KB)
身体的拘束等適正化検討委員会議事録(ワード:15KB)
身体拘束等適正研修実施記録(ワード:15KB)
5.養介護施設従事者等による高齢者虐待に関する通報・相談窓口
高齢者虐待に関する通報・相談窓口
【養介護施設従事者等による高齢者虐待】
西宮市法人指導課
TEL:0798-35-3423(施設)、0798-35-3082(通所・居宅)
FAX:0798-34-5465
【養護者による高齢者虐待】
養護者による高齢者虐待が疑われる場合には次のリンク先の西宮市くらし支援課や西宮市高齢者あんしん窓口にご相談ください。
高齢者虐待対応について
守秘義務について
高齢者虐待防止法では、刑法の秘密漏示罪その他の守秘義務に関する法律の規定は、養介護施設従事者等による高齢者虐待の通報を妨げるものと解釈してはならないこと(第21条第6項)が示されています。
したがって、高齢者虐待について通報等を行うことは、養介護施設従事者等がする場合であっても、「守秘義務違反」にはなりません。
不利益な取扱いの禁止について
高齢者虐待防止法では、通報したことによって、解雇その他の不利益な扱いを受けることを禁じています(第21条第7項)。
この規定は、高齢者虐待を施設・事業所の中だけで抱え込まずに、早期に発見し対応をはかるために設けられたものです。
西宮市高齢者虐待防止・対応マニュアル(PDF:6,387KB)
施設・事業所における高齢者虐待防止のための体制整備 -令和3年度基準省令改正に伴う体制整備の基本と参考例-(令和4年3月版)(PDF:28,624KB)
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