ウイルス性肝炎について
更新日:2023年12月15日
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目次
ウイルス性肝炎に関する知識や検査、助成についてご案内しています。
ウイルス性肝炎とは
ウイルス性肝炎とは、肝炎ウイルスに感染して、肝臓の細胞が壊れていく病気です。
主な肝炎ウイルスは5種類(AからE型まで)ありますが、国内で特に多いのはB型及びC型です。B型及びC型肝炎ウイルスの患者・感染者は、国内であわせて300万人を超えていると推定されています。
主なウイルス性肝炎の特徴
A型肝炎 | B型肝炎 | C型肝炎 | E型肝炎 | |
---|---|---|---|---|
主な感染経路 | 貝・海外での飲食 |
血液・体液、垂直感染 (針刺し・性感染など) |
血液 (針刺しなど) |
生肉の喫食 (特に鹿・猪・豚などのジビエ) |
潜伏期間 | 約4週間 | 1か月から6か月 (平均75日間) |
2週間から6か月 | 3週間から2か月 (平均40日間) |
主な症状 | 発熱、食欲不振、 腹痛、下痢、黄疸 全身のだるさ、 吐き気、嘔吐 |
発熱、食欲不振、 腹痛、全身のだるさ、 吐き気、嘔吐、黄疸 |
発熱、食欲不振、 腹痛、黄疸 全身のだるさ、 色の濃い尿、 関節痛、灰白色便 |
発熱、食欲不振、 全身のだるさ、 吐き気、嘔吐、黄疸 |
持続感染 | なし 急性肝炎 |
あり 急性・劇症・慢性肝炎 |
あり 慢性肝炎 |
なし 急性・劇症肝炎 |
ワクチン | あり | あり | なし | なし |
治療薬 | なし | あり | あり | なし |
※黄疸:皮膚や目の白い部分が黄色くなること
※持続感染:6か月以上肝炎が続いている状態
※急性肝炎:肝炎ウイルスの感染が原因でおきる急性の肝機能障害を呈する病気。
※劇症肝炎:肝細胞が急激に大量に壊れることによってその機能が低下していく病気。肝細胞の破壊が極めて大規模に起こるため、肝細胞の増殖が遅れて、適切な治療を行わないと高頻度で死に至る可能性がある。
※慢性肝炎:肝臓の炎症が最低6カ月以上持続する病気。肝硬変のほか、最終的には肝臓がんや肝不全に進行することがある。
感染経路及び感染予防について
【感染経路】
B型、C型肝炎ウイルスは血液、体液を介して感染します。
現在、献血時の検査精度もあがり、B型、C型肝炎ともに輸血その他の血液製剤投与による感染はほとんどありません。
しかし、今も血液を介してB型、C型肝炎ウイルスに感染する危険性が高いと考えられるのは、覚醒剤等の注射器の回しうちや、消毒を十分に行っていない器具による入れ墨、ピアスを行うことで感染します。また、B型肝炎ウイルスの感染経路には、ほかに母子感染や性行為感染等があります。
(C型肝炎では母子感染や性行為感染はごくまれです。)
【感染予防】
B型、C型肝炎ウイルスは、体内で主に肝臓と血液中に存在しますので、感染している人の血液が体の中に入ると感染する危険性があります。しかし、日常生活で注意事項を守っていれば、感染することはほとんどありません。
- 歯ブラシやカミソリを他人と共有しない
- けがをしている人の手当をするときは、ビニル手袋をつけるなど、血液に直接触れないようにする
- 性感染症予防のために正しくコンドームを使用する
- B型肝炎ウイルスの感染予防に有効なワクチンを接種する(C型肝炎ウイルスは現在のところワクチンはありません)
(参考)日常生活の場でウイルス感染の伝播を防止するためのガイドライン(一般の方向け)(厚生労働省)(外部サイト)
(参考)B型肝炎のワクチンについて
感染しても自覚症状が無いことが多く、徐々に肝臓の機能が失われ、知らないうちに肝硬変や肝がんに進行する人が多いことが問題となっています。
しかし、肝炎ウイルスに感染していても、早期に発見し、適切な健康管理・治療を行うことで、肝炎から肝硬変や肝がんに進行するのを予防することが可能です。
特にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べるための検査を受けてほしい方
- これまでB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査を受けたことがない方
- ご家族にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染している方、肝がんの患者さんがいる方
- 健康診断の血液検査で肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT))の値の異常を指摘されたが、まだ医療機関を受診されていない方
- 母子感染予防策が実施されていなかった1985年(昭和60年)以前に生まれた方
- 輸血や大きな手術を受けた方
- 入墨(タトゥー)を入れたり、医療機関以外でピアスの穴をあけたことがある方
医療機関での肝炎ウイルス検査について(40歳未満、受検歴なしの場合)
担当:保健予防課 感染症予防チーム(0798-26-3675)
対象者
過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない方で、当年度内で40歳未満の方。
ただし、市(他の検診制度)や職場で実施する肝炎ウイルス検査の受診機会がない方に限ります。
検査内容
HCV抗体検査(C型肝炎検査)、HBs抗原検査(B型肝炎検査)
申込方法
事前に必ず西宮市保健所保健予防課感染症予防チームへ電話(電話:0798-26-3675)でお申し込み下さい。
西宮市保健所の発行する受診券により、指定医療機関で無料で検査を受けることができます。
肝炎ウイルス検診について(40歳以上、受検歴なしの場合)
担当:健康増進課 成人保健チーム(0798-35-3127)
当年度内に40歳以上になる方で、過去に肝炎ウイルス検査を受けたことがない市民の方については、健康増進法に基づく、西宮市肝炎ウイルス検診をご利用下さい。
保健所での肝炎ウイルス検査について(HIV検査と同時受検に限る)
担当:保健予防課 感染症予防チーム(0798-26-3675)
開催日程や申し込み方法などの詳細は「HIV/エイズ・性感染症の検査相談日程」をご確認ください。
肝炎に関する助成について
肝炎ウイルス陽性者初回精密検査・定期検査費用の助成
担当:健康増進課 成人保健チーム(0798-35-3127)
兵庫県では、肝炎ウイルス検査の結果が陽性の方に対するフォローアップの一環として、初回精密検査費用及び定期検査費用の助成を行うことにより、陽性者を早期治療に繋げ、ウイルス性肝炎患者等の重症化予防を図っています。
詳しくは「肝炎ウイルス陽性者初回精密検査費・定期検査費助成のご案内」をご確認ください。
肝炎治療にかかる医療費の助成
担当:保健予防課 難病等疾病対策チーム(0798-26-3669)
B型肝炎、C型肝炎の早期治療を促進し、肝硬変や肝がんへの進行を未然に防ぐ観点から、抗ウイルス治療(インターフェロン、インターフェロンフリー、核酸アナログ製剤)にかかる月々の医療費の自己負担額を、各世帯の市町民税額に応じて助成する事業です。
詳しくは「肝炎治療にかかる医療費の助成について」をご確認ください。
肝がん・重度肝硬変入院医療費助成(肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業)
担当:保健予防課 難病等疾病対策チーム(0798-26-3669)
肝がん・重度肝硬変による入院医療費が高額療養費限度額に達した月が当該月を含む直近12月において2ヶ月以上に達した方を対象に、3ヶ月目以降の入院通院医療費の自己負担限度額を1万円に軽減します。
詳しくは「肝がん・重度肝硬変入院医療費助成(肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業)について」をご確認ください。
B型肝炎訴訟について
集団予防接種の際に注射器の連続使用が行われた場合
※昭和23年から63年までの間で、満7歳になるまでに集団予防接種やツベルクリン反応検査を受けた方は、B型肝炎ウイルス感染の可能性があります。
これらの集団予防接種等により、B型肝炎ウイルスに感染された方と、その方から母子感染した方に給付金を支給する仕組みがあります。詳しくは下記のリンク先をご覧下さい。
肝機能検査上、異常がない場合でも肝炎ウイルスに感染している場合がありますので、一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けることをおすすめします。