【消防局】IHクッキングヒーターを正しく使用し、火災を予防しましょう
更新日:2020年11月2日
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IHクッキングヒーターは安全?
IHクッキングヒーター(以下「IH」という。)は、取扱説明書どおりに使用すれば安全な製品です。ただし、誤った取扱いをすると、火災が発生する危険があります。
IHの加熱原理
IHのガラストッププレートの下には渦巻き状の磁力発生コイルがあり、これに電気を流すと、このコイルから強力な磁力線(磁場)が発生します。この磁力線がガラストップを通過して、その上の鍋の底に当たります。この磁場によって鍋底の金属表面に「渦(うず)電流」と呼ばれる電気の流れが発生し、鍋の底の金属が抵抗となり発熱し、鍋を加熱します。
誤った取り扱いが原因となり、市内で発生した火災事例紹介
事例1
片手鍋内の使用済みてんぷら油に廃油凝固剤を入れ、IHで再加熱していたところ、その場を離れ放置したため、鍋の油が過熱され発火し火災に至った。
火災の要因
- 加熱中にその場を離れたこと。
- IHは、加熱する力が強く、油が急速に加熱されたため、安全装置の作動が間に合わなかった。
事例2
フライパンに1センチメートル程度のサラダ油を入れてIHで揚げ物調理をしていたところ、サラダ油が過熱され発火し火災に至った。
火災の要因
フライパン内のサラダ油が規定量未満であったこと。※サラダ油が規定量未満であった場合、IHの温度センサーが正確な温度を測ることができず、安全装置が作動しないことがあります。
事例3
IHに搭載された、ラジエントヒーターの上にチラシが置かれた状態で、誤ってラジエントヒーターのスイッチを押してしまったことで、チラシに着火し火災に至った。
火災の要因
ラジエントヒーター上に可燃物を置いていたこと。※ラジエントヒーターはIHと異なり天板自体が高温になります。
ラジエントヒーターとは
磁力ではなく、ヒーター部分を加熱することで鍋に熱を伝えるため、ヒーター部分が熱くなります。そのため、焼き網を使ったり、アルミ、ガラス、土鍋といった金属以外の鍋を使うことができます。ただし、火力が~1.5kwと、ガスコンロの中火程度の火力になるため、大きな鍋や強い火力で調理したい料理には不向きです。そのため、3口IHの3つめのヒーターとして、予備的に設定されていることが多いヒーターです。
【ラジエントヒーター搭載IHの例】
IHを正しく使用し、火災を防ぐポイント
- 加熱中は、絶対にその場を離れず、注意を逸らさないようにしましょう。
- フライパンや鍋はIH対応のものを使用しましょう。IH対応でないものを使用すると、安全装置のセンサーが作動しないことがあります。
- 鉄板などの鉄製品(缶詰、アルミ製トレイパック、カセットこんろ)をIH上に置かないようにしましょう。
- 揚げ物をする際は、揚げ物モードを使いましょう。
- 揚げ物をする際は、取扱説明書に書かれた油量を使いましょう。少量の油では、急激な加熱により、安全装置のセンサーが作動する前に、発火温度に達することがあります。
- 普段からIH上や周辺に可燃物を置かないように注意しましょう。特に、ラジエントヒーター搭載IHの場合、ラジエントヒーター部分が使用中に高温となるため、危険です。
油火災が発生した場合は
高温の油に水をかけると、炎が急激に拡大して周囲に油が飛び散り、大変危険です。天ぷら油火災には、消火器が有効ですので、いざというときのために、住宅用消火器を備えましょう。
IHの火災動画(nite独立行政法人製品評価技術基盤機構ホームページ(外部サイト))