文教住宅都市50周年 市民と共に歩む道
桜の下の小さなコンサート。芸術文化活動も盛んなまち
小学校連合体育大会。宮っ子たちの健やかな育ちに |
豊かな環境を次世代に引き継いでいきます |
さらに今年は、平和非核都市宣言から30年。環境学習都市宣言から10年の節目の年を同時に迎えます。
9月16日には、三つの都市宣言合同記念事業として、県立芸術文化センターで音楽コンサートやシンポジウムを行いました。
また、市内で積極的にまちづくりに取り組んでいる皆さんへの感謝状を贈呈しました。
今後も市民の皆さんと共に誰もが住みたいと願う魅力あふれるまちづくりを進めていきます。
問合せは政策推進課(0798・35・3427)へ。
宣言の経緯とこれまでのまちづくり
自の芸術・生活洋式 阪神間モダニズム
明治38年開通当時の阪神西宮駅
関西学院・神戸女学院などが移転
伝統産業である酒造りは全国的に知られるようになりました。
明治7年に国鉄西ノ宮駅ができ、同38年に阪神電車本線が、大正9年には阪急電車神戸線が開業し、大阪と神戸への交通が急速に発展しました。
明治から大正にかけ、鉄道各社による沿線開発が進みました。
風光明媚(び)、交通至便な住宅地として、大阪の実業家や芸術家、文化人といった富裕層が阪神間に移り住み、「阪神間モダニズム」と呼ばれる独自の芸術・文化・生活様式が築かれました。
昭和初期以降は、多くの私立学校が良好な教育環境を求めて移転してきました。
文教都市、住宅都市の基礎は、この時代に作られたといえます。
その後、33年に上ケ原地区が、東京都の国立地区に続いて、全国で2番目の文教地区に指定されました。
文教住宅都市を宣言
昭和38年11月10日号 西宮市政ニュース1面より掲載
それまで築かれてきた住宅都市としての性格を継続するのか、工業のまちへ転換するのか、その賛否について、市を二分した大論争が繰り広げられました。
その結果、37年に誘致は中止となり、本市は工業化への道よりも環境との調和・共生を市民と共に選択。
38年11月3日に、文教住宅都市宣言を行いました。
これは、今から半世紀前に環境の世紀といわれる21世紀的な価値を先取りしたものであるといえます。
県下第3位の都市に
平成20年4月から中核市に移行し、文教住宅都市としての特性にさらに磨きをかけ、地方分権時代にふさわしい個性的で魅力あるまちづくりを展開しています。
また、近年では大型商業施設や県立芸術文化センター、通年型スケートリンクがオープンするなど、新たなまちのにぎわいが生まれています。
このような多彩な魅力が市内外から評価され、現在人口48万人を超える県下第3位の都市として成長を続けています。
三つの都市宣言の節目の年にあたり、これまでのまちづくりの成果を振り返るとともに、市民の皆さんと将来の西宮の在り方について、共に考えていきます。
市長からのメッセージ
先人達が築いたものを次世代に
今年は文教住宅都市宣言50周年という節目の年にあたります。これまでこの宣言の理念に基づき、良好な住環境を維持し、先進的な文化・教育の充実に尽力してこられた先人たちに深く敬意と感謝を表する次第です。
この宣言に基づくまちづくりを進めていくためには、社会が平和であることや、豊かな自然環境を次世代に引き継いでいくことが必要です。平和非核都市宣言や環境学習都市宣言も文教住宅都市の理念に基づいたものです。
現在、本市では豊かな市民力により、文化の風薫る活気あふれるまちづくりが進められており、「住みたいまち・住み続けたいまち」として市内外から高く評価されています。
これからも三つの都市宣言の理念を胸に、市民の皆さんと手を取り合って「ふるさと西宮」のより一層魅力あふれるまちづくりを進めていきます。
三宣言周年記念コンサート&まちづくり夢トーク 魅力あふれるまちへ
ステージと会場が一体となって「ふるさと」を合唱。指揮は佐渡裕さん
問合せは文化振興課(0798・35・3477)へ。
このまちの未来を語る
北京オリンピック陸上銅メダリスト・朝原宣治さん
県立芸術文化センター芸術監督・佐渡裕さん
初代西宮市観光大使・西田ひかるさん
西宮市長・河野昌弘
落語家・笑福亭三喬さん
西宮との関わり
- 三喬
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ご自身と西宮とのかかわりや西宮での生活、活動内容を教えてください。
- 西田
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長男が生まれた7年前から、西宮で普通のママとして生活を送っています。
平成23年から2年間、初代の西宮市観光大使を務めさせていただき、一昨年からスタートした「西宮まちたび博」などのPRをしてきました。
活動を通して、海や山、スイーツや日本酒など多彩な魅力があることを知りました。
- 佐渡
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平成14年に、阪神・淡路大震災からの復興のシンボルとしてオープンした県立芸術文化センターの芸術監督に就任しました。
当初は、被災した方々の心の傷はまだ深く、オペラや交響曲がこの西宮で必要なのか迷いがありましたが、音楽が人に非常に大きな力や勇気を与えると信じ、芸文センターで活動してきました。
- 朝原
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陸上選手の現役を引退してすぐに、市内の大阪ガスグラウンドで「ノビー トラック&フィールド」というスポーツクラブを立ち上げました。
子どもたちの自主性や友達どうしのコミュニケーションを大切にしながら、陸上競技の指導をしています。
10月からは、参加人数を増やし、クラブの活動の輪を広げていきたいと思っています。
- 河野
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西宮市は、昭和38年に文教住宅都市宣言を行いました。
私はその翌年に市役所に入庁しましたので、宣言とともに約50年間、地方自治の現場で過ごしてきたことになります。
住みよい住環境や山・川・海の自然など魅力あふれる西宮のまちは、この宣言に守られてきました。
その宣言の意義を改めて皆さんと共有できればと思います。
こんなまちになってほしい
- 三喬
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皆さん、西宮のどんなところが好きですか。
これからはどんなまちになってほしいですか。
- 西田
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西宮はパンやケーキが美味しいし、山はきれいで海はすぐ近くにあって、住みやすく本当に魅力的なまちだと思います。
また、自分の住ん でいるまちにプロ野球のチームや甲子園球場があって、選手をまちで見かけたり、子どもにとってプロのスポーツを身近に感じられるのは、子育 てしていくうえでも本当にすばらしいことだと思います。
- 朝原
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西宮には、プロ野球のチームだけでなく、JTのバレーボールや関西学院大学のアメリカンフットボールなど、実業団や大学でのスポー
ツも盛んで、スポーツ資源が非常に豊かです。
それらの団体が協力し、地域の子どもたちへスポーツ指導などをすれば、全国に発信できる「スポ ーツ都市」のモデルになれると期待しています。
私のクラブでは、大学生も子どもたちの指導をしており、さまざまな企業が集まってきてスポー ツ関連のセミナーを開いています。
こうした活動が広がり、まち全体で子どもたちを元気に育てていけるようになればと思います。
- 河野
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先日、学文中学の陸上部が400メートルリレーで全国優勝し、生徒たちが報告に来てくれました。
そのときに、生徒たちから芝生のグラウンドの整備をお願いされました。
子どもたちが元気にスポーツ活動できるよう、今後もグラウンドなど体育スポーツ施設の整備に取り組んでいきたいと思っています。
- 佐渡
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私は「スーパーキッズオーケストラ」という楽団で子どもたちを指揮していますが、そこでは、懸命に音楽に取り組む大人の姿を子どもたちは見ています。
また、この芸文センターでは平日の朝から公開リハーサルをしていて、800人もの人が熱心に 聴きに来られます。
そうした大人の姿も子どもたちは見ています。
このようにして、子どもから大人まで、まち全体に音楽の文化が根付いていくのだと思います。
- 河野
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皆さんのご活躍により、西宮の子どもたちが輝き、より一層スポーツや文化の振興が進んでいることに感謝します。
また、県立芸術文化センターには佐渡監督のご活躍によって、近畿のみならず全国からたくさんお客さんがお越しになります。
そのほかにも、市内には地区公民館が24あるなど、多くの施設が整備されています。
これは、「西宮市民のみならず近畿一円の福利の増進に寄与する」という文教住宅都市宣言の趣旨に沿うものであり、今後もまちの魅力をより一層高めていきたいと思っています。
人と人のつながり大切に
- 西田
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西宮は、まちなみがきれいで、活気ある商店街や素敵な店も多く、目的地までの街歩きの時間を楽しむことができます。
また、自転車の通行路や歩道などが広く整備されていて、安心して通行できます。
散歩が楽しくなるような、魅力的で快適なまちなみであれば、「アイラブにしのみや」という気持ちが生まれ、宮っ子としてずっと住み続けたい、より良いコミュニティをつくっていこうという気持ちにつながっていくのではないでしょうか。
- 佐渡
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震災後、西宮のまちが復興に向けて動き出す中で、幼稚園の子どもたちや中学生、市民の吹奏楽団などを指揮してきました。
そのとき、みんなでひとつのハーモニーを目指すことの大切さを感じました。
みんなで一緒に何か同じことをしたいという気持ちは、人が本来持っている本能的なもので、人と人をつなぐものだと思います。
- 河野
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文教住宅都市として、より一層魅力あふれるまちづくりを進めるためには、地域の支えあいが大切だと思います。
マンションの建設時や、転入された方に向けて、自治会への加入を促していますが、まだまだ地域活動へ参加されない方も多いと聞いています。
「顔の見える近所づきあい」があってはじめて、高齢者や子どもたちを地域で見守ることができます。
まずは、自治会に加入していただき、地域で声かけをすることからはじめましょう。
阪神・淡路大震災、東日本大震災の経験から学んだ、「絆(きずな)」の大切さ、人と人とのつながりの大切さを改めて考えていただきたいと思います。
ケーブルテレビなどで放送
ケーブルテレビ12ch | 10月16日(水)~31日(木)の午後8時~ |
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さくらFM(78.7メガヘルツ) |
10月19日(土)午後7時~ 10月20日(日)午後1時~ |
- 三宣言周年記念番組「未来につなぐ ふるさと西宮」
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まちづくり夢トークの冒頭で上映されたもので、10月14日(月・祝)~20日(日)の午前9時、午後2時、5時45分、9時45分からケーブルテレビ11chで放送。
文教住宅都市宣言から今日までの歴史を映像と写真で紹介。DVD、ブルーレイを広報課で貸出。
市のホームページ(トップ画面のにしのみやインターネットテレビ)で10月21日(月)から動画配信
祝典の音色に聞き入る
来年に創立50周年を迎える「西宮市吹奏楽団」
そして、西宮少年合唱団による市歌などの合唱や同合唱団とテノール歌手・中川正崇さんによる「フニクリ・フニクラ」などが披露され、締めくくりには、中川さんによる独唱で会場中が魅了されました。
西宮少年合唱団出身の テノール歌手・中川正崇さん |
今津中学校吹奏楽部 出身のNHK交響楽団 首席トランペット奏者 菊本和昭さん |
昭和36年、西宮の清純なシンボルとして創立された「西宮少年合唱団」 |
西宮市感謝状を贈呈
永年にわたってまちづくりなどに顕著な功績のあった69団体の皆さんに、感謝状を贈呈しました。
問合せは秘書・国際課(0798・35・3432)へ。
【表彰団体】
文教住宅都市西宮のあゆみ
これまでの歩みを写真と年表で振り返ります。
昭和38年11月 | 文教住宅都市を宣言 風光の維持、環境の保全・浄化、文教の振興を基調としたまちづくりの方針が示されました |
昭和39年1月 | 浜甲子園団地完成 |
昭和40年11月 | 市民体育館(現中央体育館)開館 |
昭和42年4月 | 市民会館・勤労会館が開館 市民の文化活動の拠点として誕生。会館内のアミティホールで行われるコンサートや公演に多くの人が訪れます。 |
昭和46年2月 | 新市庁舎が開庁 |
昭和46年4月 | 西宮市総合計画を策定 |
昭和47年11月 | 西宮市大谷記念美術館が開館 |
昭和48年9月 | 第1回にしのみや市民祭りを開催 市民による市民のためのお祭りとして、親しまれています。 |
昭和50年3月 | 現中央病院を開設 |
昭和54年3月 | 武庫川団地完成 |
昭和57年7月 | 北山緑化植物園が開園 |
昭和58年12月 | 平和非核都市を宣言 |
昭和60年5月 | 総合福祉センターを開設 |
昭和61年4月 | 西宮市新総合計画を策定 |
平成2年11月 | 塩瀬センターを開設 |
平成3年3月 | 西宮北有料道路(盤滝トンネル)開通 |
平成3年10月 | 西宮名塩ニュータウン誕生 文化の香り高い複合機能都市として開発されたまち。小学校などの教育施設や、駅前に行政施設や商業施設も備えています。 |
平成7年1月 | 阪神・淡路大震災 淡路島北部を震源地とするマグニチュード7.3の地震が発生。西宮市も大きな被害を受けました。 |
平成8年10月 | 平和モニュメント「平和の交響」設置 アプリ甲東がオープン |
平成9年9月 | 西部総合処理センターを開設 |
平成9年12月 | 西宮震災記念碑公園を整備 |
平成10年3月 | 西宮マリナパークシティ完成 |
平成11年4月 | 第3次西宮市総合計画を策定 |
平成11年5月 | 西宮市貝類館が開館 |
平成13年4月 | アクタ西宮がオープン 子育て総合センター開館 |
平成14年3月 | 西宮・甲子園競輪が終了 |
平成15年12月 | 環境学習都市を宣言 |
平成16年5月 | アクタ西宮ステーション開設 |
平成17年10月 | 県立芸術文化センター開設 |
平成20年4月 | 中核市に移行 |
平成20年8月 | 西宮浜総合グラウンドがオープン サッカーなどのスポーツやレクリエーション活動を楽しむことのできる人工芝グラウンドです。 |
平成21年4月 | 第4次西宮市総合計画を策定 西宮市参画と協働の推進に関する条例全面施行 山口センターオープン さくらやまなみバス運行開始 市の山口地域と南部地域を結び、交通の便が良くなりました。 |
平成22年8月 | 平和市長会議に加盟 |
平成22年12月 | 阪急今津線高架が供用開始 |
平成24年6月 | 甲陽園目神山地区が都市景観大賞受賞 |
平成24年9月 | 西宮まちたび博がスタート |
平成24年12月 | 東部総合処理センター本格稼働 |
平成25年8月 | ひょうご西宮アイスアリーナオープン |
文教住宅都市宣言全文
西宮市は、阪神間の中央に位置し、自然の風光と温暖な気候に恵まれ、市制施行いらい、多くの人々がここに、平穏で快適な生活環境を求めて移り住み、ついに今日の隆盛をみるにいたった。その風土は、先覚者たちの文教諸施設の整備拡充の努力とあいまって、今や西宮市が文教住宅都市として力強く進むことを可能ならしめている。またその故にこそ、年々、万余を数える人口増加がみられるのである。
一方、大阪、神戸をはじめとする阪神圏諸都市は、急速な発展を示しつつあるが、同時に産業配置、人口の都市集中、公害など幾多の内部的諸矛盾の解決をせまられている。こうした事態にあって、西宮市は、本市が誇りうる文教住宅都市的性格をさらに一層、推進することにより、こんごの阪神圏発展の一翼を担う考えである。すなわち、西宮市の将来は、西宮市民のみならず、近畿一円の福利の増進に役立つべきものであり、それはまさに、西宮市が、人々に憩いと安住の地を提供することによって、積極的に果されるものと信じる。
ここに、西宮市は三十万市民のひとしく望むところにしたがい、風光の維持、環境の保全・浄化、文教の振興を図り、当市にふさわしい都市開発を行い、もって市民の福祉を増進するため、西宮市を「文教住宅都市」と定め、こんごの市政運営がこの理念に基づいて強く推進されるものであることを宣言する。
三宣言合同記念誌を発行
市は、三つの都市宣言の周年を記念し、「三宣言合同記念誌」を発行しました。「市民力」をテーマに、まちづくりに取り組む市民の皆さんのインタビューや対談記事などを盛り込んだA4判40ページ。
記念誌は、各支所・市民サービスセンターで無料配布しています。無くなり次第配布は終了します。
問合せは文化振興課(0798・35・3477)へ。