とっとこ文化財 今回は…旧山本家住宅
このコーナーでは、西宮にある文化財を紹介します
和と洋のモダニズム
昭和13年に建築された、400坪の敷地に建つ旧山本家住宅(結善町)。平成19年には、建築当初の姿をよく留める住宅建築として国の登録有形文化財になりました。
この住宅は、昭和初年から戦前にかけて西宮の郊外に建ち始めた近代和風建築を代表しています。当時、この辺りは邸宅が多く、富裕層の住宅街としても有名でした。
建設者は、鉄山経営者・近藤寿一朗氏、設計者は、茶室研究家としても有名な岡田孝男氏です。外観は、モルタルを使用し、統一的なデザインを採用するなどモダンな要素を大きく取り入れていますが、屋根の形式や和室の多い間取りには、日本建築の様式が随所に見られます。
また、茶室を配した庭園を設け、大きな蔵を備えるなど当時の有産階級の生活をよく伝えています。庭園にある踏み石などは、近藤氏の出身地である鳥取県の根雨の川から収集してきた石を使用しているそうです。
旧山本家住宅では、美術工芸品の展示や文化教室、貸茶室なども行われています。
見学を希望する場合は、山本清記念財団(0798・73・6677)へ。
※要入館料