とっとこ文化財 今回は…酒造り用桶および樽造り道具一式
このコーナーでは、西宮にある文化財を紹介します
酒造りを支えた道具が語る職人技
西宮の伝統産業・酒造り。製造工程が機械化されるまでは、桶(おけ)や樽(たる)は欠かせませんでした。
白鹿記念酒造博物館酒蔵館(浜町)に展示されている「酒造り用桶および樽造り道具一式」。辰馬本家酒造専属の桶樽職人が、酒を仕込むための桶や清酒の輸送・販売容器の樽を製造するために、明治から昭和30年代まで使用していたもので、市の有形民俗文化財に指定されています。
酒造りの各工程では、大小さまざまな桶が使われたため、桶や樽の形状に合わせて木を削る道具がサイズ違いで多数あります。道具の中には、桶樽職人が使いやすいようにオリジナルで改造されたものもあります。大半の酒造りが機械化され、桶などが使われることも少なくなった今、これらの道具も使用されることはほとんどありません。現在、桶作りの技術そのものが伝承される機会も少なくなりました。しかし、私たちは桶樽職人が長年使っていた道具やそれらの使用痕(こん)から桶・樽造りの技術を読み取ることができます。技術の跡がたくさん詰まった道具から、酒造りを支えた桶樽職人の姿を思い描いてみませんか。
問合せは白鹿記念酒造博物館(0798・33・0008)へ。
※見学は要入館料