第19回「こども未来センター診療所で行っている様々な支援」(令和元年11月)
更新日:2020年1月7日
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前回は療育の考え方について幼児期と学童期に分けてお話しました。
子どもの年齢や発達段階によって療育内容や頻度が変わることをご理解いただけたかと思います。
私たち専門職の願いは、究極的には「療育のために通院する必要がないこと」です。
家庭や学校など、生活の場がその子にとって適切に成長できる場であることが理想です。
理想的な環境に一歩でも近づけるようこども未来センター診療所では様々な取り組みを行っています。
通院して行う療育については、個別(セラピストと子どもの1対1)療育だけでなく、
同年代の子ども同士のやり取りから学ぶ集団療育も行っています。
学校園の教室よりも小集団の環境で、
「一緒に取組む喜び」・「他者とコミュニケーションする経験」・「問題解決能力」などを学びます。
小学生高学年グループ、女子グループなどグループ構成も工夫しています。
(※セラピストとは理学療法士、作業療法士、言語聴覚士のことです)
子どもとセラピストが行う療育場面は、原則保護者同伴でお願いしています。
親御さんにも療育の様子をみていただき、日ごろの関わり方のヒントにしてもらいたいからです。
母子分離や自立した活動を目標にしているケースでは
あえて親御さんには席を外していただくこともありますが、
療育終了時にセラピストからその日の様子などを保護者へフィードバックしています。
学校園の先生や育児の協力者など、
子どもに関わる支援者の方々も同じく見学することが可能です(事前に申告が必要です)。
担当セラピストが子どもの所属する学校園などに赴き、
実際の活動場面を見せていただき支援者への助言指導等も行っています。
「アウトリーチ」と呼ばれる事業です。
子どもと支援者双方にとって有益な環境調整を図ったり、指導方法について一緒に考えることができます。
担当医師・セラピストが子どもの所属する学校園の先生方と直接お会いして、
情報交換や助言指導を行うこともできます。
「支援会議」と呼ばれる事業で、こども未来センター内で定期的に実施されています。
関係者が一同に介することで子どもの課題や目標について共通認識をもち、
医療と教育が連携した支援を行います。
このように当センターで考える「療育」とは、子ども自身へのアプローチはもちろんですが、
保護者をはじめ子どもに関わるすべての支援者が、
発達特性について正しい理解をもち必要な支援を提供できるようスキルアップを促します。
私たち専門職も常に研鑽を怠らないよう心がけ、子どももおとなも笑顔でいられるよう支援を継続するとともに、
よりよい支援策のアイデアを今後も模索したいと思っています。