劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)について
更新日:2024年6月26日
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劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)とは
原因
溶血性レンサ球菌(いわゆる溶連菌)に感染することで起こる病気です。
一般的には、レンサ球菌に感染しても急性咽頭炎や皮膚の感染症にとどまりますが、まれに、通常は細菌が存在しない組織(血液、脳脊髄液、筋肉など)に溶血性レンサ球菌が侵入し、急激に重篤な症状を示すことがあり、「劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)」と呼ばれています。
※小児が多く感染するA群溶血性レンサ球菌感染症とは区別されます。劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は子供から大人まで幅広い年齢層に発症し、特に大人に多いのが特徴です。
症状
初期症状は咽頭痛、発熱、四肢の痛みや腫れ、血圧低下、消化器症状(食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢)、全身倦怠感などが見られます。
発病から病状の進行が非常に急激かつ劇的で、発病後数十時間以内には体の組織が壊死したり、呼吸状態の悪化・肝不全・腎不全などの多臓器不全を引き起こし、ショック状態から死に至ることも少なくありません。
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の死亡率は約30%とされていますが、重症化するメカニズムはまだ解明されていません。
四肢の疼痛、腫脹、発熱などの症状を認めた場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
感染経路
飛沫感染、接触感染、傷口からの感染が主な経路ですが、感染経路不明の場合も多くあります。
感染対策
手指衛生や咳エチケットといった、基本的な感染防止対策が有効です。
手足等の傷口から感染する場合もあるため、傷を清潔に保つことを心がけましょう。
医療機関の皆様へ
感染症法上、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)は5類感染症の全数報告対象です。
診断した医師は7日以内に最寄りの保健所に届け出をお願いします。
【参考】
感染症類型・届出基準・届出様式
劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS)の診療指針(PDF:567KB)
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